今回は、大人の方が書道を始める場合の勉強の仕方について、私の考えとやり方をまとめておきたいと思います。今の時点の考えですから、先々変化していくかもしれませんが……
『書道をはじめてみたい』と教室に来てくださる方のほとんどが学校の授業でやっただけですとか、もしくは小中で習字教室に通っていたという方です。子どもと一緒にやれるならやってみたいとおっしゃいます。
目的は、字が綺麗に書けるようになりたいという方がほとんど。熨斗や年賀状や手紙をきれいに書けるようになりたいとおっしゃる方が多いです。
名前や住所が書ければ……残念ながら局所的な勉強ではなんの力にもなりません(その程度の勉強なら青山浩之先生の美文字の本を買ってやってみるのがオススメです。)線の質を変え、芯の通った字を書け、ひいては自由自在にいろいろなスタイルで気持ちよく書けるようになるにはボトムアップが何より必要です。それが先々ぶれることのない本当の力になります。熨斗書き、手紙、宛名書き、筆でも万年筆でもボールペンでも、和紙、洋紙、どんなものに書いても
この人なんか違うな?!と思われるキレを感じられる文字が書けるためには?!1つずつ自分の文字の引き出しを増やしていきましょう。
では 具体的なお稽古の内容です
私たちの競書冊子『照心』には、毎月6つも課題があります。購読者はどれでも出せます。
- 漢字(初級は4文字 行書)
- かな
- 細字
- ペン字
- 条幅(漢字)
- 条幅(かな)
これはあくまでペースメーカーにしてください。そして慎重になりすぎないこと。うまく書けなくても毎月出す!これにつきます。これにばかり没頭していると、あとで大変痛い目にあいます。
【親子クラス 一般クラス入門の臨書課題】
書衆の規定課題では学べない行草書の練習課題として、『智永 真草千字文』(国宝です!)を半紙一枚に四文字ずつ臨書して私が合格をだすまで練習をするようにしています。智永の千字文は柔らかな楷書なので行書の練習にもなります。合格したら次の四文字へ。ぜひお家でも練習してください。
以上のように実は……やることがいっぱいです(; ・`д・´) 気軽に始めてほしいのは山々なのですが、ちょっとやってみて続きそうと思ったら自分の出来る範囲で掘り下げていきましょう(ここで少し自分に圧をかけるのがポイント。ダイエットや筋トレと同じです←)
これだけの課題、とてもお稽古時間だけでは書ききれません。ぜひ次のお稽古までに最低一回はご自宅で練習して、お稽古の時に私に書いてきたものを見せてください。みなさん、なかなか難しいようですが……ペースは自分で考えて、少しずつでも書き続けることがなにより大切です。そして自分の成長を感じてください。一年、二年続けていくうちにご自身の変化を感じるはずです。そして、地域や学校の展覧会などで出品できるチャンスがあったらぜひ挑戦してみましょう。作品制作の相談にも喜んでのりますよ!ただ黙々と書くのも楽しいですが、自分を表現し、発表し、第三者にみてもらい、評価をうけるいうのもとても大切なことなのです。
筆をもつ時間を一緒に楽しみましょう!